(2008.12-29)
■いよいよ押し迫った2008年12月最後の週末。。。長期連休を活用して遠征に出かけるパーティーも居れば、休みがままならない仲間も居る。 そんな悲喜交々
の中、我ら熱血企業戦士隊は年内完結型のコンパクト山行に出かける事と相成った。 今回のスタッフは チャー、アヤキチ、私のラインナップ。今年の雪の状況は
どうだろうか・・・大山占いも兼ねて、九州からはちょっと遠い鳥取県へ。 九州とはちょっと違う雪山・ココまで来ないと得られない雰囲気・が僕らを誘うのであります。
さて、今年を締め括る最後の参考はどんなドラマが待っているのでしょうか♪
■夜も未だ明けやらぬ06:40頃から行動開始!大山環状道路を歩いて一の沢出合いに到着したときには 明るくなってきた。正面に南壁を見ながら歩を進める◎
■一の沢堰堤を淡々と越えて、傾斜が強くなる区間に出る。青空が広がる中ラッセルに汗を流す綾吉さん、先頭はチャーさん♪
■雲ひとつ無い紺碧の空に向う登高・・・汗が噴出す!
■ブッシュ帯を越えて浅いリッジに出る。雪質も安定してきたのでアイゼン装着、ストックからピッケルに交換!
■一の沢ドームを右手に見ながら越えてゆく。この区間は実に爽快・軽快・Wondreful な斜面だ☆
■軽快な登高だ☆
■時折吹く風が心地よいくらいだ。一の沢のシンボルドームを越える。 ■右手に大きく二の沢望み、最後の急斜面をよじ登る。
■頂上台地に出てご満悦な綾吉さん♪ ■弥山頂上小屋が青空に映える。
■弥山山頂
■晴天の中、弥山に到着!ひとまずお疲れ様でした。 まだまだ余裕の表情ですねー☆
雲の流れが速いのが少し気にかかるが、早速剣ヶ峰方向へ縦走開始。この時点では見事な
晴天である為に、前方の剣ヶ峰山頂に単独の登山者が居るのが見える。
縦走路上には丁度 「一人分のトレース」が刻まれていたので、おそらくこの方の物であろう。
まぁ、ノートレースで無いのがちょっと残念だが、気合居いれて行きましょう!!
■さて、心も軽く気も軽く主稜線縦走に入った。最初は問題ないのだが、しばらく進むと雪の付き方がとても微妙・・・ガレガレの痩せ尾根上には所々岩稜が出ていて
カツンカツンとピックやらアイゼンが当たる・・ちょっとスリリングと言うかかなり神経を使う前進だ。ラクダの背付近で思わず『ザイル出しましょう!』・・皆さん賛成・ほっ◎
■登山家チャーちゃん(バラ2号)の雄姿・・・この直後ザイルを出してスタカット前進に。
■1ピッチ目、チャーリード。綾吉ちゃん後ろ向きに下降して先の岩雪を攀じる。 ■2ピッチ目、SGリード。雪の付が甘く、側壁に前爪蹴り込んでの前進・・ヒヤ汗・^^;
■50mザイルを一杯延ばして、ビレイ点を探す。 2ピッチ目をフォローする綾吉。 ■3ピッチ目チャーリード。このナイフリッジを越えれば気の入る区間は終わる。
■緊張も緩み、コンテに切り替え。見事な絶景が眼下に広がる! Nice View ★
■青空と滑らかな雪稜。 思わず笑みのこぼれる・・そんな区間だ。
■剣ヶ峰山頂ウィーッシュ! 依然として風や雲が怪しいので写真だけ撮って即出発! この時点までは天狗ヶ峰から、遠くユートピア小屋までハッキリと目視できたのだが・・・
■完全にホワイトアウト状態に。。ザイルを繋いでいる前の人間が見えにくい。ザイルの出具合も見通しが悪いと思ったら、サングラスが凍っていた。外したら見えやすくなった♪
■それは一気に襲ってきた。 剣ヶ峰を通過してどれくらい進んだだろう・・10分?・20分? 主稜線の尾根を忠実に拾ってきたのだが尾根上の分岐点らしき箇所に出た。
先ほどから微妙に残る「一人分のトレース」は北壁方面に続いている・・と言う事は、これはユートピア小屋へ向かう尾根?・・ちょっと早くない?このタイミングで辺りはガスに
巻かれて完全なホワイトアウト、風も強くなってきた。唯一このユートピア小屋方向へ延びる尾根を知っているチャーちゃん先頭で北方向へ進んでみるが、この尾根は
ガレガレの痩せ痩せのナイフリッジ!しかも急降下。これは違うんじゃないか・?先ほどの分岐点まで戻ってみる。分岐点から南東方向に伸びる尾根にはトレースは無い。
先ほどの単独登山者はどこを下った?ホワイトアウトは益々ひどくなり付近は真っ白で風も強い・・・もうこのガスは当分晴れる事は無いな、・・・と、容易に予測できた。
もう一度トレースを追って北面方向の尾根を拾う、さっきよりも少し進んでみたが、これから先はザイルに頼らないと下降は困難と思える程の痩せ尾根の急降下。どうしても
ユートピア小屋に向う一般登山道とは思いにくい。そもそも天狗ヶ峰まで着いてたのか・・?その確信すら無くなるほどの白い世界。もう一度分岐点に戻る。
もう一方の尾根は瞬間的には南に向うも、概ね南東から東方向に伸びている。比較的歩きやすい区間もあるが、これが主稜線かどうか確信が持てない、歩を進めるに
困難な箇所も出てきた。仮にこれが間違っているとしたら、槍尾根か?だとしたら今回のメンバーは誰も通過した事が無く首尾よく環状道路に出れると考えるのはいささか
楽天過ぎる。風は更に強くなった。このまま未確認の尾根の下降を続けて彷徨えば、疲労困憊してしまい判断力も低下するかも。ビバーク装備は一通り揃っているが・・・
『弥山まで引き返そう!』 チャーちゃんが言った。 皆同意! Nice decision ◎
■そうと決まれば戻れや戻れー!ひと息で剣ヶ峰まで、やっぱりちょっと早か?しばらくコンテで進んで核心部に差し掛かる。またここの通過をしなければならないのか・・
との思いがついさっき脳裏をチラついていたのだけど、そこには今しがた我らが付けたトレースがバッチリリついていて、思いの他スンナリ通過できた。勿論スタカットであるが。
●ここでもピッチを切って要所をクリアする。セカンドをビレイするチャーちゃん。10mも進むとリードが見えない。●風雪の中でもスタンディングアックスビレイは確実に◎
しかしこのピッケル&ボディーのビレイは、どこまで滑落者を止められるのだろうか・・アルパインは落ちない事が前提だ・・と言い聞かせながら。
■弥山山頂小屋付近■
■弥山山頂小屋にてザイルを片付ける。ここまでくれば一安心、いやはや皆さんお疲れ様でした。
一時はどうなる事やらと思いましたが、今回のパーティーでの最適な方策が取れたと思います。
チャーちゃん見事な判断◎ Good Job! 仮にあの時点でどちらの尾根にしろ下降を続け、万が一無事に
下山できたとしたら、 『いやぁ〜色々あったけど綺麗に周回縦走できて良かった良かった!万歳♪』・・
と、これはミスジャッジだと思う。
山は状態によって全く違う局面を見せる。鼻歌混じりに通過できた箇所でも、一旦荒れれば進退窮まる
深刻な場面に出くわすであろうし、積雪期の登山であれば尚更顕著な結果となるであろう。事実、
今回の夏道下山中にもガスに巻かれて登山道を見失いそうになったのだ。(私の事ですが・・^^¥)
やはり重要な事は、入山までの訓練はさることながら、パーティーの実力・総合力・体力・それと目的地の
地形の熟達度を総合的に判断して、決して自らを過信しない事ではないだろうか。漫然とした結果オーライ
の山は排斥したいと考えるのでありました。もちろん雪山の何たるやを熟知し、更にさまざまな状況での
大山の姿を隅々まで知り尽くしたような山岳会の方々であれば導き出される答えは変わってくる。
今回もそんなエキスパート山岳会「嵐」のレポートを参考にさせて頂きました♪
結局、桝水スキー場駐車場に帰着したのは19:00ちょい前、12時間行動の山行でしたが、順風満帆で、
綺麗な周回縦走で終わるよりも もっともっと充実した登高になりました。 その意味では2008年を
締め括るに相応しい山行でしたね! それでは皆さん、本年は大変お世話になりました。
また来年も魅惑の山で会いましょう♪ I wish a happy new year !
<Photo Presented By Ayakichi ,Char & Sawa_Gourmet>
■時 期 : 2008年12月28−29日
■地 図 : 伯耆大山
■メンバー : チャー、 綾吉、 沢グルメ
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