(2009年5月2日〜4日)
■2009年GW開幕〜今年もいよいよ大型連休に突入!山屋さんにとっては特別にゾワゾワするシーズンですね。今年のGWは休みの連なりも中々宜しいようです。
今シーズンの目的地は白馬主稜、昨年の五竜岳東面と連続で行きたいと思っていた地域でしたので順番通りの組み合わせになりました。
想えば遠くへ来たものではありますが、来る度に少しずつ近く感じてくるような気がするのは、・福岡出身の大総理大臣の粋な計らいで、休日の高速道路通り放題
で@\1000になったせいでしょうか♪ 経済効果の程は存じ上げませんが、小市民にとっては嬉しい限りであります♪
さて、今回のメンバーは、天唐、 ミチヲ、 綾吉、 私・・の4名。福岡からノンストップでのドライブでも尾根末端の取り付きは10:00くらいになってしまう、今日は
どこまで延ばせるか。 天気もまずまず持ち堪えそう!荷物は最低限度に抑えて軽快に、軽やかに、滑らかな雪稜を登高しましょうー!
■猿倉の駐車場・車はそんなに多く無かったです。 ■白馬尻にはテントが2張。 主稜かな? ■大雪渓を左手に見送って主稜末端に取り付く。
■5月1日夕方〜福岡を出発、高速道路@¥1,000効果で渋滞かも・・との予想もありましたが、概ね順調に流れて名古屋を越えました。長野自動車道に入ってから
事故渋滞で止まってしまい1時間以上のロスが出ましたが、何とか無事に猿倉駐車場に到着、14時間運転でした^^; 駐車場は満車だろうと予測していたのですが、
思った以上に車が少なく、奥のほうは殆どが空いてました。 チャチャッと準備を済ませていざ出陣! 猿倉駐車場から白馬が大きく見えますなぁ〜♪
■白馬尻から右手の緩い雪田斜面に取り付く。 ■傾斜は徐々に急傾になり、春の日差しでかなり暑い・・汗ダラダラ・・・ ^^;
■これが8峰ピーク最後の登りかな?かなりグズグズの雪。これ以上雪質が悪ければザイルを出す場面だが、今回は何とか大丈夫。 ピークに立つ綾吉っちゃん。
■更に急傾が続き7〜6峰を越える。 ■遠景は白馬三山の 「鑓ヶ岳」
■滑らかに続く雪稜を忠実に拾って高度を稼ぐ。 行動中に前後にパーティーは見えなかったが、トレースはバッチリついている。さすがメジャールートだ。
■時間も16:30程になり、遠くに見える3峰ピークにテントが見えた。 我々もテンバを決めよう。おそらく3〜4峰のコルと思われる場所にテント設営。
■猿倉の駐車場を出たのが11:00ちょい過ぎ、取り付きの急登を越えて腐れ雪にヒヤヒヤしながら登る。
時間も16:00をまわりそろそろテンバを決めようかと言う頃、結構な斜面を登るとそこは4峰?5峰?・・
ちょっとよくわかりませんが、鞍部に適地発見!今宵の宿とする。 前の住民がテンバならしもしてくれて
いたので、少しの手直しでOK!3人用テントとツエルト1張り設営して完了! 今日の労を労いましょう。
テントの中でプチ祝賀会♪ ビール1本で程よい良い満足感に包まれながらあとはウイスキーをちょっと。
テンバ周りの雪質もそこそこで、とても美味い水があっという間に、4〜5リットル作れました。
明日朝用のアルファ米も作ってこれで、食事&行動水も大丈夫。 あとは白馬岳の懐の中でゆっくりと
過ごしたいが・・・何たって前夜は夜通しの運転で、はほぼ全員が睡眠不足・・・日が傾くにつれて、瞼も
重くなり・・ウトウト。
テンバからは3峰ピークが高く聳えていて、先行者のテントも一つ確認できる。その奥には主峰「白馬岳」の
頂上雪壁が夜の闇に鈍く光っていた・・ 明日はアタックだ。 皆さんおやすみなさい★
■2日目朝・晴 : 今日の行程は、白馬山頂を越えて、天狗の頭手前の無人小屋付近まで。 時間的にも少し余裕もある為、04:00起床〜05:50頃行動開始。
■テンバを出てすぐのナイフリッジをトラバース・・背後に見えるクボ地が、昨夜のテンバだ。夜半からカチっと締まった雪に小気味良くアイゼンが決まる!天ちゃん、ミチヲ登高。
■日の出間近の白馬主稜線に立つ綾吉っちゃん・・・実に印象的な痩せ尾根だ★
■朝、近くでテントを張っていた若手二人のパーティーが先行して行った。 3峰のテントパーティーも行動開始したみたいだ。実に快適な雪稜を詰めて行く。
■しばしの間、主稜線を我ら独り占めに出来た!
■スカイラインは白馬岳から小蓮華方面に延びる主稜線
■滑らかに・優美にうねる見事な雪稜★
■3峰ピークへの最後の登り。ピークに誰か居ますね〜。 ■所々、かなりの傾斜になる雪壁が現れるが落ち着いて登高すれば問題なし。
■ピッケル・右足・左足・1・2・3・・機械の様な単純作業。適度な緊張感が続く。
■2峰への急登! ■あとひと登り・・頂上が目前に迫る。
■白馬頂上に抜ける最後の雪壁! 傾斜角60℃と言う。 下部はサクサク歩けるが、頂上直下は確かに立っていたので、ダブルアックスでの登高とした。
■白馬岳山頂に飛び出す! 本当に頂上にピッタリ出てくる快適な尾根だ。山頂では登山者が賑わっていた。 記念撮影して白馬山荘へ下る。
■白馬岳山頂登頂〜!皆さんお疲れ様でした。 優美な雪稜を忠実に詰め上がる主稜は実に軽快な雪稜でした。 途中何箇所か、気の入る区間もありましたが、
雪山の基本動作さへキッチリ実行できれば大丈夫でしょう。 一箇所スリングを出した箇所がありましたが。。 アルパイン要素たっぷりの主稜は、難易度的に
そんなに困難な箇所は無いものの、ミスをすれば一大事・・!基本的な動作・単純作業を間違いなく継続して、ずっと緊張感を維持する事が肝要ですね。
今日のこれからの行程は、アルプスの峰々を展望しながらの空中漫遊〜♪とりあえず、白馬山荘に入って祝杯!温かいラーメンで腹ごしらえしたら、早速縦走
開始と洒落込みましょう! 小屋番に方に 『最近の不帰キレット方面はどんな感じですか?』・・・と聞いてみると、「この時期、不帰方面を通過する人は殆ど
居ませんから、分かりません。このGW期間中も居ませんでした」 との事。・・・なるほど、不帰方面に向う山屋さんは小屋には寄らないわけね・・・だってさぁ、
僕達も行く予定だけど、もうすぐ九州からのエキスパートアルパイン集団のパーティーも不帰方面に縦走するんだよ・・・★
さて、まずは白馬三山の 杓子岳から〜鑓ヶ岳を目指してスタート、天狗の頭付近で今宵のテンバを確保するのであります。
■白馬を出て、緩く下り杓子岳の取り付き点に到着するも、都合により山頂は割愛させて頂きました♪ アルプスの山並みを見物しながら空中散歩を満喫!
■杓子岳のトラバース地点
■もう白馬がかなり遠くに見えてきた・・・ ■鑓ヶ岳山頂に到着!
■鑓ヶ岳から下った鞍部に天狗山荘(季節営業)がある。正面にテントが2張り、我らは裏手にテント設営した。 ■真剣な眼差しで水を作る綾吉っちゃん♪
■空中漫遊と言いながらも、本日は06:00の行動開始から始って≒9時間行動、そろそろお喉も乾いてくる頃・・^^; 微妙な上り下りを繰り返してボディーブローのような
鈍い疲労感も漂ってきましたかね. そろそろテンバを確保しないと。昨日よりも少し気温も低めのようだ。 天狗山荘が見えてきた時、少し先の天狗の頭付近にテントが
1張り見える。不帰の通過を目指すのには最適の前衛テンバのようだ。
天狗小屋前にはテント2張り。。はやり明日の行動を考えるに少しでも先に進んでおいたほうがよさそうだけど、もう皆さんお疲れのご様子・・^^;
本日は天狗小屋前で今宵の夢を繋ぎましょう♪
●昨日と同じく、テント&ツェルトを設営したら、お食事タイム! 白馬山荘で買い出してきたビールで乾杯! 一人1本でも十分でした・・^^;特に食べる物も選択肢は
無いし ナッツ類をオツマミに少し飲んで、アルファ米を頂く。肝心の水作りもテンバ周りの雪で十分に確保出来たので、明日の朝飯、行動中の水も大丈夫♂
さて、明日の行程だが、不帰キレットの様子がイマイチよくわからない。 温暖化の影響でずっと夏道が出ていてくれれば問題ないのだが、
おそらく雪が残っているだろう・・・ 唐松から八方尾根を下ったゴンドラの時間に間に合わせる為にも、余裕を持った時間に行動開始したい。
そうこうしている内に今日も睡魔が・・・19:00には皆さん就寝。 明日は03:00起床〜05:00には行動開始とする。
■3日目・朝 : 曇り時々晴れ = 05:00行動開始。
■早朝行動開始、昨日より少し冷える朝かな? ひと歩きで天狗の頭に到着。 ■そして天狗の大下りへ・・正面のピークが不帰T峰。1峰までは一般道で行ける。
■そして天狗の大下りへ・中々の急降下だった。正面のピークが不帰T峰。 ■背後が天狗の大下り。
■正面に聳える不帰のT峰〜V峰。
■不帰2峰の登高ライン。
■夏道が出てるのでは・・と言う淡い期待は見事に打ち消されました。
不帰2峰東面にビッチリ雪が付いている。とりあえず取り付き点まで
行ってみる。下部は夏道が出ているのでそれを伝う・・しかし一般道
と言っても、ガレ場の岩登りに、急斜面のクサリ場、ハシゴ場と、
かなり荒っぽい登山道だ。
今日、不帰キレットを通過しそうなパーティーは3組。
先頭に二人パーティー、後続に6人パーティー。
程なく最初のトラバース地点「0(ゼロ)ピッチ」目の場所に出る。
ここでは先行者が見えていたが、ザイルを出していた。
我らもこの場所に立って迷わずザイルを出す。ここの雪はクサッて
はいるもののそこそこしっかりはしていた。 後続のパーティは
ノーザイルで越えてきたようだ・・・どうかねぇこれ。
終了点には残置スリングが有ったが、ちょっと心配・・アングル
一枚打ち足してザイルフィックス。特に終了点から先で、
少しクライムダウンする場所が微妙だった。
それから更に夏道を辿って、上部の雪田トラバース地点に出る。
1ピッチ目、タケカンバにセルフを取りミチヲの確保で前進するが、
この雪が悪い・・物凄く悪い。 かろうじて岩に張り付いているだけの
状態。出だしすぐに立ち木でランナーとってクライムダウン、更にもう
一箇所ランナー追加して岩場付近でピッチを切るが、やはりビレイ点
も何も無い。ハーケン一枚にスノーバー&ピッケル埋め込みで確保。
ザイルフィックスで後続を迎える。
2ピッチ目は先ほどよりもやや安定した雪の上を登高≒35mほどの
タケカンバでピッチを切った。
3ピッチ目はミチヲリード。急斜面の雪壁にオリジナル・スノーバーで
ランナーを取り、頂上台地へ抜ける。
いやはや悪い雪でした。
■最初の0Pリード。雪はくさっているが、そこそこ安定しているか? ■セカンドはカラビナスルー・ダブルでフォロー。
■ここが悪い1P・・・グズグズの雪にラントクルフトが走ってて、今にも落ちそう。 フォローもいやな感じだったと思う。終了点には何も無し。ハーケン打った。
■2P目終了点の綾吉っちゃんと天唐さん。 ■3Pミチヲリード。オリジナル「スノーマン」セット中。
■正面にゴールの唐松岳が見えてきた! 。 ここから3峰〜唐松までは気持ちの良い縦走路だ。最後のウイニングランを楽しみましょう♪
■頂上台地から少し登って 2峰ピークへ!ほっと一安心
■広大なアルプスの峰々をバックに最後の登り・・・感慨深いね〜♪
■唐松岳山頂に到着! 北アルプスの峰々を大展望できる素晴らしいロケーション! 縦走のフィナーレとして誠に感動的な山頂でした!
■結構ヘロヘロの豪腕アメ車@綾吉と、バケモノ@ミチヲ♪よく歩きました♪
■最終日、05:00の行動開始でしたが、天狗の大下りから幾度かアップダウンを
繰り返し、不帰キレット通過にもやや時間がかかってしまいましたので、
本日も9時間半前後の行動時間となりました。
でも目はギラギラ、気力は十分!なのでここから五竜越えて、遠見尾根から
シラタケ沢下降〜天狗主稜線に登り返して鹿島槍まで抜けるのも面白いだろうなぁ〜
・・などと吹いていましたが、唐松山頂に立てば満足度も十分^^;!サラリーマンの
宿命も腹に含めて、今日は泣く泣く八方尾根を下降しましょうか・・・などと元気ぶって
ますが、やっぱリフト&ゴンドラには何の迷いも無く乗ってしまう我々でした♪
■対面に見える剱岳・八つ峰の「いなっち」にエールを送る面々・・頑張れよ〜♪
■とりあえず無事に最後のピーク、唐松岳に到着! 皆さん本当にお疲れ様でした。
白馬主稜から〜白馬三山を越え、天狗の大下り〜不帰3峰〜唐松岳まで、この
三日間は殆ど休憩も取らずに、よく歩きました・・結構堪えましたよね。
心配していたお天気も終始安定していて、アルプスのパノラマも満喫できたし、
当初の予定通りに完踏出来て、素晴らしい山行になりました。
対面の剱岳にはイナッチが八つ峰〜源次郎尾根を登っているし、その奥の
槍ヶ岳・硫黄尾根には 「田中さん達」 が取り付いているはずだ。
皆な良い山行になっているだろうなー♪
このGW期間中、我らの仲間は四国遠征の2組、屋久島1組、背振大縦走1組、
そして、奥穂高には山旅人さんパーティーが出ている。 どのパーティーも
思い出深い素敵な山行になっていたようだ★ また打ち上げ会やりましょうね♪
■八方尾根を下る「現場に強い綾吉」。リフト&ゴンドラを乗り継ぎ、麓に到着、タクシーで猿倉まで回送。猿倉の近くにはミズバショウ・カタクリが咲き乱れていた。
■今年のGW春山合宿も無事故・怪我人無しにて、予定行程を消化できました。 後立山連峰の峰々は今シーズンも優しく厳しく、我らを迎え容れてくれたようです。
荷物の軽量化、迅速な行動、登高中の集中力など自分なりに決めていた課題もそこそこはこなせたのではないでしょうか〜・・皆さん如何でしたか♪
サラリーマンにとって特別な期間・・GWの春山合宿はこれにて終了★ 今年も心のひだに深く残る思い出深い山行となりました。皆さんありがとうございます!
白馬主稜・・名クラシックルートに、後立山の峰々にも感謝です。 それでは皆さん、またココラ辺でお会いしましょう♪ 又来るよ〜〜・・すぐ来るよ♪
<Photo Presented By Ayakichi , Micchiy, Tenchan & Sawa_Gourmet>
●オマケの信州ソバ屋さん情報●
■猿倉から豊科インターに向う途中、栂池方向に少し入った所にある蕎麦屋さん『一ぷく』。 感じの良いお母さんと娘さんがやっているアットホームなそば屋です。
打ち立てでは無いけど、手打ちソバにお母さんが揚げるたっぷりの天ぷらが旨い!最初に出してくれる野沢菜のお漬物も美味!しかもお値段お手ごろです。
お近くに寄られた際にはいかがでしょう♪
■時 期 : 2009年 5月2日〜 4日
■地 図 : 白 馬 岳
■メンバー : 天唐、 ミチヲ、 綾吉、 沢グルメ
■装 備 : 50mザイル x 1セット、 ハーケン5〜6枚、 ナッツ適当、 スノーマンx1丁、 ピッケル&アックス(ハンマー)、
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