盛夏の渓〜 むこうかまど谷 〜 傾山         (2009年7月18〜19日)
■2009年夏山沢合宿、今年も本格沢シーズンの到来!昨年のこの時期には木浦谷・左股で一泊沢登りだったが、さて今年はアッチにするかコッチにするか・?
 
九州内の候補地はいくつか挙がっていたが、今年は傾山の北東斜面に深く食い込む 『むこうかまど谷』・・・谷の長さ、渓相共に秀逸!九州を代表する
 渓谷の一つである。
 むこうかまど・・の谷名が意味する所は?!カマドのような釜が多い所から来たのか?盛夏にもって来い!とばかりの、水との戯れが
 楽しい谷である。
傾山の山頂に潔く突き上げる所もまた佳し! 
 今回の参加メンバーは、アカハラハン
ター@ミチヲに、お気楽ラッコ@綾吉と私の3名。少数の上に、一泊計画でゆとりもある今回の行程、むこうかまど谷
 中盤に点在する滝
や釜は積極的に 『正面突破!!』 を試みる事にする。 さて活路は開きますかな。



■堂の瀬橋の少し先にある、大白谷バス停兼、神社広場で沢支度を整える。沢の近く右側に付いている林道を終点まて伝い堰堤上から入渓♪ 飛び跳ねるミチヲ♪

■金曜前夜出発で、原尻の滝道の駅で前夜泊・・・熱血企業戦士故に一週間の疲労困憊を癒すが如く、早々に就寝。原尻の滝から大白谷までは思いの他近いく、
1時間もかからずに大白谷バス停に到
着、そこで沢身に整える。バス停にある神社に道中の安全を祈願したら、いざ出発!沢沿いの林道をしばらく伝って、大堰堤の箇所
からの入渓とした。 入渓直後からは広々とした開放的な渓谷を淡々と遡行、時折出てくる大柄な釜付滝を泳いだり、巻いたりしながら遡行を続ける。



■ゴーロ歩き暫くで大釜付きの斜滝・右壁が登れそうだが先も長いのでここは右巻き。 ■更に暫くで気持ちの良い斜滝・・泳いで滑り易い下部に取り付いて慎重に登る。
  
                                     ●この斜滝は滝左壁が簡単の登れる。ハーケン1枚あり。(昔は古かったが打ち直してあった。)


■続く釜では お気楽ラッコの綾吉。 『はい、引いて引いてぇ〜楽チン楽チン♪』      ■左右簡単に通過できる釜も今日のポリシー、『正面突破!』 を実践するミチヲ。
  



■真夏の陽射しを存分に浴びてのシャワークライムは快適そのもの!           ■もうお馴染みの 「スリング x 2丁吊り」 で突破の綾欧州。
 
 ■微妙なスラブも正面から攀じる。
 



      ■そして出てきたゴルジュ入り口の滝。四方を岩に囲まれた釜付きで、左側から爆流が流れ落ちる・・・ココは何とかしたい所だ・
         正面に走る顕著な2本のクラック・・アレに繋げれは抜けれそうだ。 問題はここからでもヌメりそう解る下部岩壁の処理だ。

      



■左岸の岩沿いにヘツリ泳いで下部に取り付く・・案の定ヌメるヌメる・・

 ■ゴルジュ入り口の滝・・正面壁の左手から爆流が流れ落ちる。正面の
 岩壁には中央に2本のクラックが・・・これを上手く伝えば上部は傾斜も緩む。
 
 問題は下部の岩・・どうみてもヌメリそうな岩質・・滑り易い岩場を突破できる
 可能性があるとしたならば、それはしっかしとしたホールドが確保できるか?!
 と言う事と、首尾よくランナーが取れるかだ。ダメなら戻ろうと、取り付く。
 
 案の定、下部岩はヌメリがある・・が、安定したホールドと足がかりの良い
 スタンスを得られた。それに軟鉄ハーケンが良く効くリズにも恵まれたので
 上部クラックに繋ぐ!
 
 クラックの下部に辿り着いて足場も安定した所で、とてもしっかりとしたクラック!
 、安心して上部に抜ける。 上部に抜ける途中のワンムーブが、ちょいムズかな!?

         ■軟鉄、ナッツのランナーで抜け切り! 滝上に横たわる立派な倒木にセルフを取って、迎え容れる。泳いで取り付き中の綾吉
 

 ■ランナー回収でスイスイ登ってくるミチヲ。
 



■ゴルジュ出口のV字滝、水心から突破・・ここは抜け口が微妙だ・・^^; スリングを引いてミチヲ先陣を切る。 激流にもまれてずぶぬれの綾吉!
 



■続いて美しい樋状の滝! シッカリとフリクションの効く岩質なので快適にシャワーを楽しめる! 緊張もほぐれ笑みもこぼれる・・そんな軽快な区間だ!
 
   ■続く滝も右壁を直登!中間までが微妙、ランナー1発でミチヲ抜け切り!
     



■見惚れるような美瀑・大釜付きのスラブ直瀑とでも言えるだろうか。ここは右壁から立ち木伝いにヘツれそうだが・・いま待てよ、正面のチムニー,
 チョークストーンの嵌るスクイズチムニー風のワイドクラック壁が処理できないか!? アレが登れると・・そう、正面突破じゃないか。



        ■まず私が釜の左側をヘツリ泳いで滝の落ち口へとアプローチするが滝の流れに押し戻されて・・^^; 泳ぎ突破力の強いミチヲに交代、
           簡単にチムニーの取り付き点まで辿り着き、ザイルを張る、これで後続は全て安心。 さてここからリードだが・・・

        

             ■まず下部のチョークストーンにスリング大回しでランナー1本、出だしは体がギリギリ通るのスクイズチムニーを一段上がる。左壁のフリクション
                は問題ない。更に左壁に軟鉄1本打ち込んでもう一段上へ。この位置から見る上部のチョークストーンは遠目では解らなかったがカブっていた・;
                体を外に出すようにチムニーで登ると、左壁に典型的なクラックが斜めに走っている!しめた、8番ナッツがこれまたガッチリと効いてスリングも
                架けた。 この上から二個目のチョークストーン越しワンムーブは・X−/A0 ぐらいかもしれない。仮にエイダーをセットすればもっと簡単。

            

 


■これで終わりかと思ったら、最後の大チョークストーンでもう一仕事あった。ツルツルで
 微妙に張り出してる大岩の下に11番ナッツをセット、ホールドにして抜け出し・・ほっ♪   ■落ち口まで泳ぎ寄る綾吉、この位置から見るとランナーの箇所がよく解る。

  



■『よくもこんなトコ登らせるな・・』 と、満面でぶぅぶぅ感を訴える綾吉♪           ■上手く登って来た。スリングが効きましたね〜。
 
 ■ミチヲはかかりの良い左壁を上手く使って突破。
 
 



■上部チョークストーンの狭い隙間をすり抜けてきたミチヲ。お疲れ様でした! さて、この上流を暫く遡行すると、あおすず谷出合いの二股に辿り着く。左手がむこうかまど。


 



■爽快な遡行に夢中になる♪                                     ●今回の足回り、飯豊ステルス、忍者ステルス、S1/C4キャニオニア2 
  



■そして美しい3段の滝・・40m以上あるかな、正面突破を試みるも、1段目中央のバンドまでシャワーで登って、右手ブッシュに逃げる。 この間のシャワーは快適!
 

 


■3段滝の上部に、そこそこのテンバ適地発見、今宵の夢を繋ぎましょう♪

■今日は08:30前後からの行動開始で、ここまで≒8時間の行動。積極的に水に親しみながら
の遡行の割にはそこそこの時間でまとまった。そろそろテンバを探しましょう・とした所にちょっと狭い
けどまぁまぁの適地を発見、早速フライシートを張る。

パンツ一丁になって濡れた洋服を乾かすが今日の水遊びが如実に物語っているのは・・ザックの中、
もうずぶ濡れでコッフェルの中にも、行動食の中にも水が溜まってました。幸い着替えと、シュラフが
無事だったので何よりでした。 (ジプロック+ビニール袋+防水パックが強かったです!)

さて、一息ついたら乾杯!今日の遡行を味わいながらお粗末な食事をツマミにアルコールを少々♪
辛ラーメンのスープ入りの ケンミン焼きビーフンが美味しかった♪

全く寒くない今宵シュラフカバーの中は半袖でも充分、明日の遡行を夢見つつ、いつの間にか深い
眠りについた・・・お疲れだったのか今夜は焚き火も無しでした♪ それでは皆さんオヤスミナサイ★

                                   ●2日目朝・晴れ 時々 曇り




■ぐっすり眠れて快調な朝一発目に,目の覚めるようなシャワークライムが・左壁クラックを伝って直登、下部リズに3鋼ショート1本、中間には古びたハーケンがあった。

 
 ■今日も元気な 綾・ミチ・トリオ♪
 



■快適な遡行に目が覚める♪                                 ■傾斜の強い斜滝を直登。
 


        ■これも美しいゴルジュ樋状滝! 登れる・?
        


■抜け口のスローパー、足の入れ替え処理が中々微妙(・_・;                  ■フリクション効かせて!
 



■緑の原生林も深く深く・・谷はあくまで開放的だ! さすが九州を代表する名渓ですね。   ■V字切れ込み著しい岩壁
 



        ■そして、この谷のフィナーレ的存在の40m滝・・♪美しいです◎  右壁の草付きクラックを伝えば登れそうだけど、これは見るだけが良いかも。
        



■これより上流は水量も減じて、源流の様相となる。ある程度詰め上がると進路を右手の枝沢に取り、水の涸れた沢を詰めると、大したヤブコギも無く縦走路へ脱出!
 
●思っているよりももっと上流まで沢を詰めて最後に右の枝沢を取ると、山頂直下のコルに出そうだ。 今回はコルの手前側に出た。



   ■久々の傾山山頂! 感激ーお疲れ様です★                      ■下山は少し九折方面に下ると、大白谷の分岐に出るのでこれ伝う。
       
    ●無事に傾山頂に到着! 皆さんお疲れ様でした。開放的で爽快な渓・・むこうかまど谷の遡行はとても充実した沢登りが出来ましたね。 自身2度目となる
     この谷でしたが、今回の印象は遥かに鮮烈でした★ 軽装・一泊での遡行は、心理的にも体力的にもゆとりが出来ますから、ゆとりを持って楽めそうです。
     今回は30L〜40L台のザックでピッタリかちょっと余裕がありましたからもっと軽量化の工夫ができるかも。 しかしながら、原生林の中での沢泊、これも
     沢登りの重要な楽しみの一つ・・少々の嗜好品は外せませんなぁ〜・・特に、アルコールは必需品でしょうか♪不自由な中のささやかな歓びこそ贅沢の極み!
     さて、個人的には祖母山よりカッコイイと思う傾山の山頂も踏めたし、今回の沢合宿もまずまずの成果ではなかったでしょうか♪
     それでは皆さん、また妙なる渓でお会いしましょう♪ 御機嫌よう。



■ソデ尾方面に少し下ると杉ヶ越方面の展望が開ける!紅葉が綺麗だろう! 東傾山まではアップダウンを繰り返し、それから先は一気に急降下!で、林道に帰着。





    ●むこうかまど谷〜傾山界隈に生息する動植物バンザイのコーナー♪♪


●イワタバコ                       ●キバナホトトギス?                       ●イワキボウシ?
  


●クサアジサイ                         ●ケイビラン                          ●カラマツソウ
  

●吸血ヒル                            ●アサギマダラ                        ●アカハライモリ(♀)
   


●アカハライモリ(♂)                      ●ラッコ                             ●ツキノワグマ
   






■時  期  : 2009年 7月18〜19日
■地  図  : 小 原
■メンバー : ミチヲ、 綾吉、 SG






 
                                                          





































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