桑原山北面・桑ノ原谷(仮称)〜桑原山     (2009.08-14)
■2009年お盆の時期になりました。今年は中々明けない梅雨と局地的なゲリラ豪雨で各地に被害が出たかと思えば、頻発する地震・・それに竜巻の発生と
 天災の話題の多い夏です。一応の梅雨明宣言は出たものの、中々スッキリとしない空模様・・・今年は少しおかしいかな。 さてそんなこんなしている内に
 月日は無常にもスタスタと過ぎ去ってしまい、夏休みも後半戦に入りました!沢を生業とする皆々様も気が気では無い所でしょう♪
 今回、いくつか考えていた候補地のうち前から気にはなっていたものの中々チャンスが無かったこの谷・・桑原山の北面に突き刺さる魅力的な等高線、
 しかも下部にのみ少し水線が引かれているだけで上流には殆ど描かれていない。 この絵面には有る・・・必ず何かある!との期待を込めていざ出陣!
 この日お盆の帰省や法事の都合で参加不能なメンバーが多い中、間隙を縫って入渓するのは ミチヲと私の2名。。。さて今回の沢探索は当たり、外れ?


■暫くは谷の左岸についている「桑ノ原林道」を歩いて頃合の良い所で入渓〜 早速スダレの滝が出合ったかと思うと、続いて釜付き小滝・・!

■前夜、唄げんか大橋道の駅で仮眠を取って翌朝07:40頃に入渓〜 藤河内渓谷に向かう道すがらにこの谷に出合う。 今回の行程が首尾よく行けば下山は
大分・宮崎の県境尾根を下山する予定にしている。どこに出てくるかピンポイントでの追跡は難しいので車は最初に横ぎる橋の袂に停め、沢身に整える。



■釜の後には小滝が連続!そしてまた泳ぎ・・・とにかくこの谷は水が綺麗!美しい!冷たい! 思いきり水に入りたくなるような清冽な流れだ!
 

     



■すぐに出てくる2条≒8mの滝。ここは中央部を登って左にトラバースするラインが良いか! 8m + 8mの16mスリングで中央突破。
 
 ■左に移る際、一段降りるムーブのトラバースが実に微妙だ。
 



■2条の上には大振りな2段滝、ここは右岸巻き・・・入渓早々でこの先に何が待ってるか!時間も有効に。  ■樋状の流れを直登するミチヲ
 



■これは秀麗!釜付き2段の斜滝!少し泳いで中央駆け上がり。         ■息つく暇も無く続く滝、大きく深い釜を持ったこれも2段の滝。ここはチムニーで突破。
 


■そして圧巻!圧倒的に発達した大岩壁に囲まれた2段2条釜付きのゴルジュ滝!物凄い威圧感★ここは中央の流れに取付いて中段まで直登、ハーケン&ナッツ支点で登攀。
抜けは右手のチョークストーン脇のスクイズチムニーをバックアンドフットだがザックが邪魔で抜け難い。一旦ザックをおろしてスリングでハーネスと連結、上部で引き上げる。

 



■続いても迫力満点の釜付き2段滝!ザイルの残りから逆算すると、下部が15m+上部が30m強。一段目は左岸を簡単に直登、2段目も左岸行けそう。落ちればかなり
振られるために、ガッチリ支点工作に余念が無いミチヲ。出だし1本と上部立ち木にスリング支点で 30m抜け切り! この谷は下部の岩は全く滑らず、フリクションが効く。
 この2段目・30mの登攀は、ちょっとしたマルチの1ピッチ並みの登り応えがあった。 足場もホールドも、岩の質もとても安定している。

 
 ■ここまでの抜けに色々させられる。 リードミチヲ安全に抜け切り!
  



■これから小滝の連続区間、どれも直登可能。 なかなかボルダーチックな動きを強いられる事も♪    ■噴出しの滝にたじろぐミチオ、強引に突破。
 



 ■写真で解るだろうか、とにかく水が綺麗だ! 実に無味無臭の爽やかな渓である。  しばし童心に返って水と戯れる。
  

 



                 ■釜付き3段滝、思ったよりも深い釜だった。 右から左から中央から思いのままに遡行を続ける。
 

 ■大岩の間をシャワーのように滝が落ちる!
 



■フリクションの良く効く岩場の遡行は軽快!                          ■これまた素晴らしい 長いナメ滝が続く。
 

               ■どこまでも澄み切った水、爽やかな原生林、降り注ぐ太陽 ・・・ しばし自然と一体となり遡行に耽る。





     ■圧倒的!この谷最大の大滝は4段構成で≒65mはあろうか。桑ノ原大滝とでも呼ぶか!際奥の直瀑は四方岩壁に囲まれたゴルジュ滝のように
      見えるが突破できるか?!この位置からでは判断できない。巻こうにもずいぶんと下流に下らなければ困難・・とにかく偵察で登ってみる事にする!

      


■桑ノ原大滝 1段目、水流中央を快適に登る                       ■2段目:2条左側の水流右側から取付き左側に乗っ越し。水流内はフリクションが効く。
 

 ■1ピッチ目 ≒25m ミチヲリード: 
 下部から忠実に水流の中心部を登る。ホールド&スタンス共に豊富でフリーでも
 可能。 滝上のテラスでピッチを切る。


 
■2ピッチ目 ≒15m SGリード: 
 2段目は2条になっており右の水流が太くホールドもありそうだが、左の細い水流が
 登り易そうに見えた。しかし水流脇がヌメる。
 最初は水流の右手をジワジワ登って上部で左手に渡り、落ち口のクラックを掴んで
 登り上がる。サイズの大きなナッツかアングル2〜3番が有効。 抜け口は悪い。


■3段目は浅い2段構成に。左側クラックに頼るが悪い。                ■4段目は右手の乾いたスラブを人工で登る。中間部の支点工作が核心
 
 ■3ピッチ目 ミチヲリード≒15m
 3段目は正確に言うと浅い2段構成となっている、下部が1条、上部が2条。
 下部は水流の真ん中をフリーで抜ける、中間のワンムーブが微妙だが水流内に
 ホールド豊富。核心は2段目2条の処理。左端のワイドクラックに活路を求めるが
 見た目より悪い。ランナーも離れた場所にしか取れず、緊張のクライミングとなる。
 思い切って体を上ればホールドに恵まれ、スタンスも効く。4段目のテラスで
 ピッチを切る。

  
■4ピッチ目 SGリード ≒ 10m強
 最上部4段目は中央から勢い良く水流が流れ落ちる。左手には3段目から延長の
 スクイズチムニーから オフィズスサイズのクラックが明確に走っているが、困難?!
 右手には乾いた岩のスラブ。中央部分にフィンガーからシンハンドクラックが口を
 開けている・・上部は何も無いスラブだがコチラに取り付く。 下部にナッツ一発で
 一段目まで乗りあがり、更に軟鉄1枚がシッカリ効く。この2段目から微妙に
 一歩上ると左手に浅いポケットが有り、コレを持ったまま右手のみでクラックの泥土
 を掘り出す、この辺が核心か。 更に1mほど上に6番ナッツをセット、エイダー
 を架ける。 最上段に乗り込み、微妙なホールド拾って手を延ばすと草付きの
 根っこに届く。 脆い草付きは右寄りに抜け切り。



■4段目スラブ、フォローのミチヲ。

 ■この谷は車を停めた場所が標高200mで山頂が1400m・・・実に1200mの
  高度差を一気に駆け上がる事になるのだ。概ね標高350m〜650mの区間に滝が
  集中していて、それから1050mほどまでの区間は小滝・ゴーロの区間となるがその
  直後に桑ノ原大滝が待ち構えていた。 見ての通りこの谷はそこそこ長いのだ。

  つまり、日帰り行程で遡行&下山をする時、下部連瀑帯で時間を費やす場合は、
  中間部のゴーロ&小滝区間では時短の為、遡行に専念した方が良い。
  大滝が下流の方から安全に巻けるかどうかは不明。

  因みに源流部にはそこそこのテンバは確保できそうだ。ブナの茂る原生林帯で
  一夜の夢を繋ぐのもまた佳かな♪



    ■将にフィナーレとも言える大滝を越えると水流は一気に減じて源流の様相となり、辺りにはブナの大木茂る豊かな森が広がった!
 

 ■もののけ姫の慈悲深い森・・水苔とブナとヒメシャラが織り成すアンサンブル♪
 



■豊かな森を抜け薄い笹薮をほんの少し漕ぐと山頂直下に脱出!山頂から北東方向の踏み分けを辿るとすぐに左方向に矢立峠分岐が分かれる。ここを左に取る。


■無事の山頂へ脱出! お疲れ様でした。標高差1200mを一気に駆け上がるこの谷は、 下部の連瀑帯から中間部に広がる小滝とゴーロ帯、
 そしてフィナーレを飾る大滝・・と変化に富む良い谷だと思います。大崩山塊の北東に外れたこの桑原山(八本木)は福岡からは中々登るチャンスが無い・・
 ここまで来るとどうしても大崩〜夏木方面に足を延ばしてしまいますが、どっこいこの桑原山は原生林の茂るとても良い山だと思います。大崩方面の
 展望も開けてますし♪ そしてこの谷の特筆すべきは やはり『極めて綺麗な水』 だと言えるでしょう。 また行程を変えて一泊計画で訪れたいなぁ〜と
 そんな風に思える谷でした。 下山は宮崎・大分の県境尾根をヤブコギになるだろと思っていた所、北東方面に走る県境尾根には立派な登山道が
 付いていました。 しかしこの登山道は標高850〜900m付近で方向を真東に変え、黒内集落方面に延びている。古びた朽ちた木製の看板が目印だ。
 そこから先はヤブコギとなるので北東方面の尾根を外さないように下り、標高500m付近から目立つ黄色杭に導かれると入渓地点の林道に飛び出す。

 因みに今回もいつものパターンだが、殆ど休憩を取らず軽装速攻、行動食のみの休憩を2度(5分以内)取ったのみで、山頂からの下りもノンストップ
 で一気に駆け下りましたが、全行程10時間の行動時間となりました。 入渓される方は時間配分に気をつけて。
 それでは皆さんまた 慈悲深きもののけの森で会いましょう♪ 御機嫌よう。


        ■下山中に広がっていたお見事な原生林◎
       





■時  期  :  2009年 8月14日
■地  図  :  木浦鉱山
■メンバー  :  ミチヲ、 SG



                                                


                 




































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