阿蘇・赤ガレ谷冬期登攀 <中退>         (2011年2月12日)

■気候もゆるみ気味であった先週一週間・・・各地の雪も氷も融解が徐々に進んできた事だと思います。2月の貴重な三連休は
 日頃の行いの良さ(悪さ?!)が祟ったのか否か・・中々フルに活用できるメンバーも居ません。 連休に1〜2日くっつけて南ア・中アへ遠征
 の色気は夢と消えたのであります。しかしながら、お天気も悪ぅ・・・伯耆大山に突撃した九州岳人たちの威勢を複数聞きましたが、果たして
 目的のルートにアタックできたでしょうか。 そんな中、わずか一日の猶予で臨んだのは阿蘇北面エリア。
 昨年の1月に赤ガレ谷を詰めて北尾根基部に抜けた時、下山途中の仙酔尾根分岐手前で確認したルンゼ・・上から見下ろすと中々急峻な
 ルンゼだったが下からならスパッと抜けれそうなルンゼ。 今回はココを目指して出撃です。 とりあえず目標はここでした^^;
 本日のオーダーは ワタ、チャー、ミチヲ、綾吉と私の5名、 風雪厳しい仙酔峡駐車場を出発! ただ今の気温−7℃です★



■今日の阿蘇は風雪強く、吹雪の様相で気温も低い。取り付きから新雪が谷を埋め尽くす中を淡々と遡行、関門前後の谷の両サイド側面にはこんな
 亀裂の入った雪面が見える!規模が小さいので落ちてきても大事にはならぬが・・・気味が悪い・・・^^;



                                         
■積雪の為にいつもより楽に早く、三段滝(だった滝?!)に着き、各々登る。    ■滝を越え境界尾根に差掛かる雪面でも時折ブリザードのような風雪。
 
 ●この境界尾根の斜面で小規模ながら雪崩に遭う。境界尾根のブッシュ帯では無い
  斜面・・と言えばピンと来られるだろうが、積雪面積もそれほど広くないので耐えれるが
  一名短い距離を流された。この付近での弱層は20〜25Cm前後であった。

 ■境界尾根を跨いでトラバース〜赤ガレ谷へ侵入
 



     ■雰囲気のある赤ガレ谷を登高。 この付近では積雪は全く無く、クラストした雪面に小気味欲アイゼンとピックが決まる!
     


●トラバースの行程で何度か目の前の雪面がスパッと割れる光景に出くわす。 ブッシュ帯でも亀裂が走る事がある。この付近でも積雪面が狭いので何とか
 安心は出来るのだが・・・



■同じようなルンゼ状の地形なのだが、時には膝下付近までの新雪が積もり、また別の箇所ではクラストした雪面が露出している。この付近で概ね30CMほどの弱層。
  

●岩稜帯を進み、そこそこ歩きやすいクラストした雪面登高で順調に高度を稼ぎ、標高1470mほどまで上がってきた時、また新雪が積もる斜面に出る。
 ルンゼの端っこを騙し騙し登っていると、上部から中央の雪面が滑り雪崩・・・ここまででは一番大きな雪崩で二人ほど短い距離を流される。 
 山頂まであと僅かだが、これからがルンゼ登高の核心・・規模は別としても、また何発喰らうか解らない。 もちろんとっとと退却! 下山開始。


■最後の雪崩発生ポイント・ちょうど30CM程にある弱層から表層が滑り落ちている。 これからルンゼは右にドッグレッグして更に続く。一目散に下山!
  

●赤ガレ谷方向に下山・・途中のクラストした雪面は下山もしやすくあっと言うまに下りて来た。 赤ガレ谷のラッペルポイントに来た時、この日 最大の雪崩が目前を
 流れていった。かなりでかい雪崩・・・上部の雪面が不安定そうに見えると、間髪入れずに2発目が流れる。 だいたい落ち着いた頃合を見計らって一気に下降。
 2回目のラッペルポイントの下部なので、この下から傾斜が緩み気味になる箇所だ。


■手前の案全帯で雪崩をやり過ごす。 上から見ているとかなりの規模に見えたが。。 2回目の雪崩でほぼ表層の新雪が流れたようだ。
  

■下部からデブリを見上る。この位置の両サイドに大岩壁があって隠れる場所がある。   ■ラビーネンツークの際をまき気味に一気に下る。 出口は緩斜面となる
  

■赤ガレ谷・2回目のラッペルポイント下部は、確かに典型的なラビーネンツークのど真ん中。。通常では警戒心無しに行動しているが、今日は取り付きから小規模な
 表層雪崩に晒されていた為に予測行動が出来たか?!アルプスや中国山地、 伯耆大山等の雪面登高に於いては常に雪崩、弱層、ブレーカブル・クラストについて
 神経をビリビリ使っているが、九州だとつい疎かになりがちだ。でもここ数週間の天候を考えればむしろ雪崩れない方がおかしいのかもしれない。

 2週間前までは極端な低温で凍て付く北面が、先週は一気に気候が上昇、雪が解ける。 高めの気候が一週間続いて、また寒波襲来で放射冷却。
 この時点で雪面は再凍結しカチカチにクラスト。 そして、その上に新雪が積もる。・・・ 流れますわね。
 この状態を見て、伯耆大山チームのことが気になってきましたが、帰宅途中に連絡も取れ一安心◎ 無理はいけません、安全第一で行きましょう。




                        ■下山後、仙酔谷F1でアイス訓練♪ アイスハーケンは効きましたかね☆ スクリューは安心ですね〜・・^^;




 ■今日も無事に下山完了! アイスクライミングにも興じることが出来て良かったですね◎
  この時点でもまだ雪が降ってるけど・・・帰りの道路は大丈夫かな・?と思いつつ帰路に着くと
  案の定・・高速道路は広川でストップ! 八女ICで降りて延々と渋滞気味の下道をひた走るの
  でした。  それでは皆さん、また美しき谷でお会いしましょう☆








■時  期  :  2011年 2月12日
■地  図  :  阿蘇の岩場・概念図
■メンバー :  ワタ、 チャ、 ミチヲ、 綾吉、 SG





                                        
                       
















































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