ひがえり谷〜 国見岳

脊梁山地の懐深く入りこむ川辺川源流の谷々・原生林に濾され湧き出た清水が穿ち創りあげた渓谷は森の命の源、
野生の力漲る猛々しさがありながらも慈悲深い。 そこには斧知らずの森がただ々広がると言うわけではなく、
かつて国有林伐採の憂き目に遭いながらもしたたかに茂らせた二次林の森が魅せる凄まじい再生力と、歳月の流れ
が点滴の如く浸透させる治癒力によりかくも見事に原生の森を再現してみせている。

渓谷の水は下流では轟々と太く強い流れで渓魚を育み、岩をこさぎ取る。両岸を岩石で囲まれた要塞のような廊下
に満ちる水流は上流に向うにつれ徐々に流れを細くするが、それと引き換えに渓谷の頭上に豊かな広がりを与える。
源流域に達するとそこはまるで桃源郷・・・落葉広葉樹の巨木1本1本がそれぞれ贅沢な領域(テリトリー)を確保し
木と樹の間に広がる空間が森の広大さを巧みに演出している。
その樹間の林床には幾層にも落ち葉とブナの実が重なり合い、柔らかな褥を提供している・・・そう、これこそ全ての
生命を育む慈悲深い森の揺り籠なのだ。




                                 ■樅木本谷の渓相・・・水量も豊か。


                                          ■中々見事な滝も連発する。
   



   

■ひがえり谷出合に架かる滝
   


■ひがえり谷最大の滝は釜を持つ。                             ■この谷では是非、一泊でじきり訪れるのが良いか。
   


                               ■源流域に差し掛かると、幾つもの支谷が出合う。どれも興味深い。
   



   ■見事な渓相
   




 

 ■豊に広がる温かな林床
 





 

      









■時  期  :  Aug, 2011  <国見岳>
■メンバー  :  kero, aya, sg







                                                         

inserted by FC2 system