鹿川エリア ダキ山北面・仏石ルンゼ                (2012.02.12)

■鹿川エリア・ダキ山北面の谷を巡るこのウィンターシーズンもそろそろ佳境、各地で梅の開花も聞こえてくると俄然氷瀑も細く薄くなってくる。
 そんな中でも今シーズン中に覗いてみたい谷・・・ダキ山ピークの真北に位置するルンゼ、ゲジゲジマークの前後に引かれた濃い等高線が連瀑帯を想像させる。
 谷全体の行程もそこそこ長いようで、この奥に何がある?・・・何かある! 人知れず静かに眠っている『大物』の匂いがぷんぷんするこのルンゼに引き寄せられた
 今回の蜜蜂メンバー、iso, ishikawa, matsumoto, yoshimura と kero, ayakichi, sgの7名と、取り付き点までは、工藤さん、石橋さん、iso婦人等頼もしいメンバーの
 護衛付きだ。  おそらくは今期最後となるであろう氷瀑巡礼の旅、果たしてそこには・・・どんなヤツが息を潜めているのでありましょうか♪


■春の木漏れ日清々しい原生林帯のアプローチは、鹿川集落ダキ山登山口から少し先の作業用林道から侵入〜 取り付きから急斜面の植林帯を越え、
 自然林へと移り変わった地点は、散策のために拵えられたような静かで美しい林・・・ここでのんびり一泊したくなるような風景だった。 正面に岩戸隠しの滝が
 見え隠れする地点に巨大なボルダー岩が転がっていてその地点から進路を左に取ると今回目指すルンゼが広がる。 地元ではこの付近を仏石と呼んでいるようで
 そこから『仏石ルンゼ』とする事にした。


●林の美しさに魅了されてる折、鹿川を代表するアイスクライマーI川さんが探していた「ゆで卵」が、ヘルメットの中から出てきた(笑)もう少し温めてたらヒナになるとこだった♪




■仏石ルンゼ F1                                      ■左右に2本の登攀ラインが引ける。
 
  
 ■谷を詰めあがると早速前方に白く光る氷瀑が見えてきた。 氷結はしているようだが
 水量が少し細いか・・しかし登れる状態ではある。

 F1 : ≒35m
 傾斜もあるF1、快適にアックス、アイゼンを決めてザイルを伸ばす。一番短いのから
 2番目のスクリューは決まった。上部は氷の厚さも増して来るので問題なし。
 このF1は右コースと左コースの2本のラインが引けるので同時に登攀も可能。
 上部の立ち木でピッチを切る。



■2シーズン目のアイスとなるkero。濁り生ワイン旨い、いい仕事です。三澤さんも感激♪怪獣@綾吉の怒涛の登り!左手アックスもこれぐらいの氷ならバチ効きですな◎
 



■鹿川を代表するアイスクライマー@I川さん。 ヘルメットの中から 『ゆで卵』 を出す!・・と言う離れ技をやってのけた!引田天巧も真っ青だ・・(失礼)
 




■F1上部の短い小滝を越えた先は、顕著なゴルジュ帯が発達していて氷結していない・・釜に水が溜まっているのだ。仕方なく巻き道を探すが左岸はむき出しの
 岩壁なので右岸の急斜面に取り付く。谷からどんどん追い上げられて高度を増して行くと、前方の方から「おぉー!」とか「こりゃ凄い!」・・などの感性があがる。
 
 やはり居た・・・大物。 それもとてつもない大物だ! 深く削られ蛇行しながら伸びるゴルジュ帯の先には連瀑が架かり、その奥に100mをゆうに越える大滝が
 白く氷結している☆ これは・・本当に見事! この景色を見るだけでも大変な価値がある。ここから谷底までは懸垂で50m以上はありそう・・下部の氷結が
 甘く、撤退するにも沢が凍っていない為、下降困難。 今回の登攀は断念した・・・と言うか、この景色を見るだけで満足した。

                   


■秀麗な 『仏石大滝』・・・見事としか言い様が無い。 樹木が邪魔で写真で伝わり難いが、実物を目の前にするとその迫力・威圧感たるや凄まじい物がある。
 蛇行するゴルジュ帯の抜け口に小滝連瀑が架かり、そこから≒50m〜 右に屈折して更に50m〜 最上段に目測でも130m以上はあるのでは無いかと 
 思われる大滝が白く輝いている。この仏石大滝は これまで九州で見てきたどの滝よりも存在感があり、しかも周りの風景がまた素晴らしい。
 谷自体が屈折している為、下界からは全く見通せないので、ここまで来た者にしか観る事が出来ない絶景。 来る価値はあります。 
 夏場に沢通しでもう一度訪れたいと思いました。


  

■ひとしきり大滝に見惚れ、後ろ髪引かれつつ下山開始。 F1取り付き点まで1ピッチの懸垂の他は歩いて下山可能。 皆さんお疲れ様でした◎

今シーズンの氷瀑巡礼の旅・・・『大収穫』と言えるのではないでしょうか。昨年末からメンバー各位と基本構想を練り、計画・立案〜下見偵察の実施と、計画的に
メニューを消化、登攀具を抱え現場に乗り込む時期もタイミングバッチリだったと思います。
今回の仏石ルンゼでほぼダキ山北面の主なルンゼをほぼ全域、覗いて来た事になるが、いやはや・・・ダキ山恐るべし、との印象が強い。少々甘い天候でも氷結は
キープされていて、谷の最深部に発達する氷の回廊は見事☆ 三段の滝が凍て付く頃には、ダキ山北面の各ルンゼも凍っているだろうと思われる。

今回もお世話になった氷瀑ハンター@isoさん始め、吉村さん、三澤さん等、庵の主要メンバーには大変お世話になったこの冬シーズン、心から感謝申し上げます。 
また来期も宜しくお願いします・・・ と言うかこれからの季節はクライミングシューズでお世話になりますね◎

さて、今回で最後となった氷瀑巡礼の旅・・・皆様お付き合い頂き誠にありがとうございました。来シーズンも新たなる新天地を求め、豊な森を彷徨いたいと思います。 
それではまた 未だ見ぬ絶景でお会いしましょう。 御機嫌よう。

 



●オマケのボルダー紹介● 仏石アプローチ途中にあるボルダー岩・・岩屋として利用できそう。ここまでなら30分ほどで到着可能。
見事に発達したルーフには横には何本も走るシンクラックやら、リップをトラバースする課題やら何本もラインが引けそう♪我ら凡人には見えませんが、
どっかぶりフェース面の僅かな窪み・カチを利用した極難課題も設定できるかも・・少なくとも「段」の世界でしょうね◎ ボルダラーの皆さん張り切って開拓宜しく〜♪

  
                                       ●中央部のフレーク課題にトライするkero。 冬靴での体感は4級くらい?






■時  期  :  2012年2月12日
■メンバー :  iso, yoshimura, ishikawa, matsumoto, kero, ayakichi, sg




                                                 



























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