五家荘 サカイノ谷〜 五家宮岳             (2012・07−08)

■梅雨の晴れ間は五月晴れ☆・・・ 連日連夜降り続いた雨でこの週末も降雨予報で予定が立て難く、、じりじり実にじれったい一週間を過ごしたのでありますが、
何と!金曜の午後から前線が動き出し、九州中央部から南部にかけて急速に天候が回復する見込みがついた! こんな状況下に最適な沢リスト・・ふむふむ・・
やはり脊梁@五家荘が良い。 何たってアプローチに荒れた林道を通らなくても良いし、一日行程で駆け巡るにはお手頃な沢が揃っている。
今回はそんな中から五家宮岳に向うサカイノ谷に入渓した。  川辺川源流・樅木本谷を挟んで右手が国見岳を盟主に抱える向霧立越山地で、 左手には平家山
から南方向に派生した尾根に連綿とピークを連ねる山脈がある。 昨今、南平家山、夫婦山からウードヤ山までの稜線は 見事に切り開かれていて歩きやすいが・・
これをどう解釈するか・・^^; また後で述べるとして、今回の沢旅の始まり始まり〜♪




■さて、今回目指したサカイノ谷は川辺川本流沿いに通じる林道の対岸に出合っていてまずは本流を渡渉しなければならないのだが・・・アララ、。。
 昨日まで降り続いた雨の影響で本流は大増水! 色々と検討したが渡渉を断念、下部をショートカットして「さかいの谷川堰堤」から入渓した。


●ゴォゴォと白波を立てる奔流に、尻尾を巻いて退散。   上部の取水堰堤から入渓。  H子夫人様にもご満足頂けるような、中々立派な土管で御座いました♪



■水の綺麗さはさすが脊梁の沢。 しばしゴーロ帯を遡ると・・ 豪快に水を噴出すF1 が出てきた!傾斜は然程でも無いので登攀可能。滝の右側を登るPoohさん☆
  




■F1は、滝の左側も更に傾斜が緩く下部は階段状となっている。           ■念の為に上部半分はザイルを出す。
  



                  ■増水気味の谷では ちょっとした小滝・斜滝でも悲鳴が上がる!  思いっきり水線遡行を楽しみましょう。
  




                          ■そこはさすが脊梁の深い渓谷・・・ 付近の原生林も清々しい! ここも水線突破で頑張る。
  



■しばらくで F2が架かる。10mちょいかな。 滝の左側にはクラックも多く、大型ストッパーが有効に効く。通常の水位であれば滝の右側が登りやすいかも。
  



■フォローは思いっきり戦闘的ラインで、シャワークライムを試みる♪          ■しばし、清らかで明るい渓谷の遡行に耽る・・・♪
  



■そしてこの谷の白眉F3 『さかいの谷大滝』 戦闘的ラインは滝の右壁!?今回は取り付き易そうな左壁にラインを取った。 下部はホールド&スタンス豊富な
 ザクザクフェースを登り中央テラスまで登る。 この位置に薄刃ナイフブレードが有効に効くリズが多く走るのでランニング確保。 これから上部のスラブ壁が傾斜が
 増し、ヌメッてくる。。 左側の立ち木にランニング追加し、ヌメリを落としながら、騙し騙しスラブを登る。 このヌメリまで含めてW+ぐらいかな? 

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■F3落ち口のスラブ・・ここがヌメっていやらしい・・^^;            ■今回の沢靴は柳又に忍者に、キャニオニア2SAR! この新型キャニオニアは良いです◎
  



■夏の日差しを浴び爽快にシャワークライミング!この小滝の上暫くで水は涸れ、古い林道が横切る。稜線は林道を横切って一汗だ。快適な縦走路から山頂を目指す。
 
 ■立派なブナも多い。ここではブナハバチの被害は認められなかった。
 




■快適な縦走路を歩く事暫くで五家宮岳に到着! 皆さんお疲れ様でした。やっぱ山頂踏むのはいいものですよね◎ この山、以前は薮に覆われて何も無い山頂
 でしたが、今は切り開かれて明るい。。 良いのか悪いのかね〜^^;





■遠景、中央の切れ込みが さかいの谷の全景☆
■今回も脊梁らしい渓谷・・豊な原生林と鮮烈な水の流れでの良い沢でした。渡渉が
 出来なかったのが残念でしたが、上部も小滝に斜滝、それに適度な滝も配置された
 端正な谷・・そんなイメージでしたね◎ この五家宮岳が座する稜線はちょっと前まで
 薮が深く、入り込むのにも勇気と経験が必要だったと思いますが、今では一般道の
 ように薮が切り払われ、山頂にも広場が出来ている・・・うぅ〜ん、これどうでしょう。

 自分自身の中での脊梁とは、滅多やたらと手を付けられない、深い森の中での座標
 認識や方向感覚は、様々な山を経験して初めて着手できる・・そんな特別な山域でした。

 地元、背振〜金山山地で足腰を鍛え、薮尾根を拾っては読図力を養い、渓谷・ 薮沢
 を拾って歩く事により、うるさい薮を長い時間歩いても 「心乱れない忍耐力」 を、
 山からつけてもらう。

 それから久住連山に出向いて、デカく広大な「大きな山」に慣れ、祖母山系の険しい
 縦走路を踏破できる脚力を鍛える。祖母は険し、大崩は深し・・この九州屈指の山を
 経験してからやっと、脊梁山地に向う自信が芽生えてきたように思うのです。
 そんな脊梁の中でもこの界隈は格別に悪かった・・が、それがこの山の面白さであり、
 この山地・五家荘の財産だったのでは・・と考えます。 
 地図もコンパスも、ビバーク装備も非常食も持たずとも、気軽に誰でも入れる山、それも
 確かに一つの価値観でしょうが、それらの装備を使いこなせないと入ってはいけない、
 「ここに来るなら山力を鍛えてから来い!」・・・と、脊梁は言ってるようにも
 思えるのでありますよ。  それでは皆さん、また深い原始の森でお会いしましょう♪







■時  期  :  2012年7月 8日
■地  図  :  椎 原・ 五家荘概念図
■メンバー  :  hyaku, shige , wata , pooh , ayakichi , sg






                                
                        

































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