球磨川源流の渓谷                              (2012.07-29)
スゲノ谷〜石楠越〜山犬切〜七遍巡り〜水上越

■梅雨明けした九州全土は、連日連夜猛暑酷暑・暑い暑いの大合唱!今年の梅雨はよく降ったが、夏の暑さも半端じゃない。この暑さこそ沢シーズン全盛期の証
 で、この週末に向かったのが球磨川源流の谷・・・スゲノ谷。九州の沢登りのメッカと言えが・・奥岳渓谷や緑川水系の各支流に、五ヶ瀬川水系が挙げられるが、
 やはり本丸は川辺川含む、球磨川水系ではないだろうか。この水系は脊梁山地の尾根の間隙を縫って広く深く山肌に食い込み数多の渓谷を造りあげる。
 九州の沢登りのバイブル「九州の沢と源流」でも、吉川満さんも、脊梁山地の渓谷に多くのページを割いている。そんな本丸、球磨川源流のスゲノ谷から、
 石楠越の尾根に上がり、南山犬切〜七偏巡り〜水上越〜球磨川源流・源流橋・・・と、周回縦走のオマケ付きで楽しむ予定。 
 さてさて、天気は上々〜繁ヶ野谷橋の右岸に付けられたソマ道から侵入しるとしますか・・・ ついこの前の記録的大雨で、渓はどうなってるのか・・!?

※球磨川源流・源流橋登山口から ⇔ 水上越までの間の登山道は、土砂崩れにより登山道が崩壊・流失している箇所が多数あり
 通行不可能です。崩落した斜面の通行も安全ではありませんし、大幅に欠落
し、途切れ途切れとなっている登山道では、
 道を見失う可能性がとても大きい。この付近にお出かけの際は、最新情
報をよくチェックして下さい。




■スゲノ谷の渓相はさすが脊梁! この地域・・・ と思わせる雰囲気の良さ。 この岩は何と言う岩石なんでしょうかね〜・・・黒っぽいシッカリした岩で、
  石灰岩質山系の谷でよく見かける岩。 石灰岩になりか
けの岩石みたい。 銚子笠南面の、横才川源流に行った時もこれと同じ岩質で、ステルスがバチ効きだった!
  滑る気配一切無く、花崗岩より効いてるかも♪


        ■入渓早々から 素敵な渓相が展開する! ステルスの為に産まれた様なフィリクション・バチギキの岩肌をグイグイ遡行!
  



        ■直に出てきたF1. 重さんリード。中間テラスから左岸への移り込みが激シャワー! キャメロット#1〜2 が良く効いてましたね◎
  



                             ■遡行に夢中になれる区間、付近の原生林も素晴らしい☆
  



                           ■ワタさん、miwaちゃん、 女将さん@綾吉、 軽快に遡行に耽る。
 

 



       ■実に落ち着きのある 脊梁らしい渓相・・いや、球磨川水系の源流域らしい渓相だ☆
       




          ■途中、春の小川のような平流となるが、前回の豪雨でかなりの砂礫が流れ出したようだ。 自然の猛威を感ぜずにはいられない。



            ■そうこうしてるうちに出てきたF2. 中間地点から上部の登攀が岩質脆く、気を遣う・・・ここもキャメ#1〜2が有効。
 
  ■明るい渓の遡行は気分も良い◎ 女将@綾吉もぶーぶー言わない・・(笑)
 



      ■今日の遡行かここまで! 一枚岩の上で一泊したくなるような明るく爽やかな渓流区間・・・☆ お天道様はありがたい◎
      



■この谷最大のF3. 下部は緩斜面。中間テラスから上部が登攀対象だば、下部から滝水流の左側水際を登ると、道は開ける。落ち口で右側に移る。
 
 ■落ち口では、どうしても激シャワーとなる・・ちょっと寒いぐらいでしたかね^^;
 




                       ■すぐ上部に架かる 2段滝は どこからでも自由自在! 積極的に水線を登りましょう!
  



    ■緑がどんどん濃くなって行く絶景!☆ 脊梁を、球磨川源流を知る沢屋さんのみが見れる桃源郷・・☆☆☆ いつまでも浸っていたい、そんな心境です。
  




         ■流れは徐々に細くなって行くも、水流は稜線ギリギリまで流れる。 岩稜帯を穿って球磨川の最初の一滴は流れ出す♪
 
 ■水流を離れ尾根に取り付く。 稜線は目の前だ!
 



■石楠越から南に派生する尾根に上がり込む・・いやはや実に・素晴らしい太古の尾根☆ ブナの勢いが見事!  ここから主稜線に合流し、(南)山犬切に向かう。
そもそも山犬切には、西も南も無かったんだけどね♪・・アタシ的には、山犬切は一つです。(その昔の2万五千地図で国土地理院は山犬切の記載を間違えてました)

 
 ■この尾根筋を見て、見事・・・以外の言葉が見当たりません・・☆
 
                                               ●(南)山犬切山頂の キャンディーズ♪ (古い?^^;)



■なぜかフライドチキンを持っている女将さん@綾吉・・(笑) ここから七遍巡り〜 水上越と縦走して、球磨川源流橋・登山口へ一気に下る・予定が・・・^^;



<我らにありがちなキーワード・・・ 下山核心!>

■水上越から球磨川源流方向に下り出してまもなく、登山道がはっきりしなくなり、右に左に行きつ戻りつしたものの、やはり釈然としない。
 この時点で、登山道を拾う事をキッパリ諦め、地図と方角を決めて強行下山に取り組むと しばらくで赤テープが出てきた。 方角は間違っていないようだが、
 明確な登山道が続かない。 ちょっと考えて解った!豪雨で斜面が崩落・・登山道が崩壊・流出しているのだ。 下りながら大きく崩落している谷の遥か対岸に、
 クッキリと踏み後が見えたりする。。 しかしソコまで行く事すらヒヤヒヤ物だ。。。これは危ない。

 水上越を下り始めた頃に振り出した夕立まがいの雨は、本降りとなりやがて、土砂降りとなった。 ガスに巻かれた林の中は 昼間の2時とは思えないくらい
 真っ暗で視界も利かない。 困った。。前方下部に球磨川源流の流れ見えるので、現在地の座標は拾いやすいが、いかんせん登山道ではない尾根を強制下降
 している為に、ズルスルの足元不安定で、落石も気にかかる。 メンバーに気合を入れて更に下降すると 再び一般登山道に飛び出る。 が、しかしその登山道も
 長続きしない・・崩壊により、途切れ途切れなのだ。。 肝を冷やした下降だったが、雨は止み、ほぼ安全な場所まで下ってきたのでホッと一息・・・。
 あの豪雨夕立があと1〜2時間も続いていたら・・ちょっと厄介だったと思う。 山の天候とはこんなもの、油断禁物。



■一見、源流息と思える谷筋だが、ここも大崩落した後のむき出しの岩盤なのだ。 つい1時間前まで透明感溢れる清き流れが、一瞬にして濁流に!
  

  




■とりあえず無事下山・・・ いやはや豪雨夕立には、ほとほと参りましたが、球磨川源流下部の平流域に出た時にはほっとしました・・・^^;
 ともあれ、 石楠越から南山犬切〜七遍巡り〜水上越〜源流橋と、脊梁山地の深い森を淡々と愉しめました。 やっぱりこの地域は何度来ても
 素晴らしいし、 ちょっと角度を変えたり、 浸入経路を変えるだけでも新たな発見、喜びがありますよね◎そう言えば縦走路上のブナの木の中に数本、
 ブナの葉っぱが 無くなりつつある木がありましたが、 これもブナハバチの被害でしょうか。殆んどのブナは元気でしたから、あまり心配する事は無いのかも
 しれませんけどね♪ それでは皆さん、また妙なる森でお会いしましょう。






■時  期  :  2012年 7月29日
■地  図  :  椎 原
■メンバー  : shige, wata, miwa, ayakichi, sg





 
                                                 
























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