鹿川〜神楽ルンゼ・アルパインアイス <完結>  (2011年2月5日)

■前回、埋もれし名アイス渓〜 神楽ルンゼを探索、その玄関口に聳える F1「神降しの滝」 を登攀〜50m + 35m + 50m の全3ピッチを
登りきった地点で時間切れサスペンディッド〜 2段構成となるF2の存在を確認し次回に望みを繋いだ。


さて、気候が緩んだこの一週間であったが、前日まで鉾立谷大滝の氷瀑は付いていたようで一抹の不安を抱きつつも期待は高まる
(実は寸前で鉾岳大滝の氷は落ちたらしい;)当日朝の気温−2℃・・麓では穏やかな朝を迎えたが、終日陽の当らない北面・神楽ルンゼの
最深部には何が待っているのか。煽る気持ちを抑えつつ、F2目指し登山道に取り付く。
そして辿り着いたその先には目を見張るような景色が広がっていた。


■今回のアプローチは一般登山道を利用〜頃合いを見てトラバース、首尾よくF2の取付き点に出ようとする計画。登山口に書かれている「中級・上級者向け登山道」の
案内を見て、正直失笑しそうになったのだが・・下山後、この案内が正かった事を思い知る。

取付き直後からいきなりの急登〜風もない陽気の中では汗が噴出す、凡そアイスの取付きでは無いなぁ〜・・と額を拭う。30〜40分も登って支尾根に上がると、
積雪もチラホラ見えてきて風も冷たく感じた頃、前回確認した地形と地図を頼りにトラバース開始。
立ち木や木の根を頼りに進む、途中一箇所ザイルのお世話と
なった地点があったが、この難場を越えるとF2の取付きに出た。 歩き始めから1時間40分ほどの行程だった。



F2: 袖花の滝 60m (1P:30m  +  2P:30m) 
 
 isosanのご好意により、傾斜の緩い1ピッチ目を引かせてもらう。
 下部緩斜面を抜けると氷の下には水流が確認できる。 

 抜けの部分が少し立ってるほかは特に難場は無く、ウォームアップに
 ザクザク登る。 体感でもせいぜいV級程度?





  ■袖花の滝 : 1ピッチ目終了点から。 アナコンダ@綾吉も始動開始!
  



袖花の滝2ピッチ、isosanリード。1段目より傾斜強くなるも問題なくザイルを伸ばし滝上へ。 ■フォローの綾吉、サルケン&アナコンダ炸裂!アイゼンはよく効くようだ。
 
 ■F2を越えしばらくは綺麗な氷床が続く快適な区間。すると前方に何やら見えてきた。
 

 

F3: 雲下ろしの滝 70m (1P: 20m  +  2P: 50m)         ■1ピッチ目:isosanリード。実に見事な滝!貫禄十分な雲下ろしの滝でした。
 


■1ピッチ目フォロー:登り応え十分なピッチ。                   ■2ピッチ目:SGリード、具合の良い終了点を立ち木に求めた為、下から見た感触より長かった。
 



■F3終了点より。                              ■F3:雲下ろしの滝から上部。ボリュームのある氷が延々と続く。ここは九州か?!と感嘆しきりである。
 



     ■一面のアイスワールド・・・他のフィールドなら飛び上がって歓喜の声を発する所だが・・・これくらいの小滝はフリーで快適に氷瀑登攀
     



■小滝の連続は遡行に夢中になる区間。                             ■上の二股。これを右股に進路を取ったが・・左股にも何かあるのかも!?
 



■右股に侵入〜うねりながら続く氷床                                 ■そろそろフィナーレも近いか・・最後のアイスの感触を味わう。
 
 ■目前に稜線が見えてきた。
 



                          ■そしてこの滝を最後に神楽ルンゼのアイスワールドは終わる。
 
 ■最後の滝上で装備を解いて、尾根へ這い上がる。目の前が稜線だ。
 



■稜線に脱出、よし一本取り!神楽ルンゼ完登★お疲れ様でした。
 ■2週連続となった鹿川エリア〜 神楽ルンゼ・アルパインアイス、無事に稜線まで抜け切り!
 皆さん、本当にお疲れ様でした、そしてありがとうございました。

 第1次探索隊の追究で突き止めた神楽ルンゼ。先週は寒さも厳しい中、初見の谷では先の
 分からない氷瀑登攀で、長い時間のビレイまた、下部での長時間の待機など苦労もありましたが、
 磯辺隊長、原口氏、光安らの第1パーティーにより全長≒135m 全3ピッチのF1 『神降しの滝』 
 初登が完遂されました。   これも一重に第1次探索隊に加わったメンバー全員、
 千々和、大串、坂根、勝野の総力の結集であると言えます。

  そして今回の磯辺、坂根、勝野らによる第2次探索隊では、F2以降の谷の全容を解明、F2の
 氷瀑以降,これほど内容の濃い氷の世界が広がっていようとは、予想を遥かに上回っていました。
 F3・雲下しの滝の見事な滝姿は今でも皆の胸に焼きついている事でしょう。
 当日、諸事情により残念ながら参加の叶わなかったメンバーも居ましたが、皆さんご存知のように
 我らの探索の旅は尽きることを知りません。 次回に向け心と身体の準備を願いたいところです♪

 最後に今回ご協力を頂いた地元の皆さん、クライマーの殿堂@鹿川庵の皆さんに心から感謝
 申し上げます。
 それでは皆さん、また未知なる渓でお会いしましょう。






■時  期  : 2011年2月5日
■地  図  :  大  菅
■メンバー : 第2次探索隊 = ISO,  綾吉、 SG

<参考資料> 神楽ルンゼ

■F1:神降しの滝 (全3ピッチ)135m
1P:50m + 2P:35m + 3P:50m

■F2:袖花の滝 (全2ピッチ)60m
1P:30m + 2P:30m

■F3:雲下ろしの滝 (全2ピッチ)70m
1P:20m + 2P:50m
※氷瀑グレードは検討中。早朝取り付による、F1からのワンプッシュ遡行であれば更に充実するであろう。
 但し、氷結の甘い時にはF2以降からの遡行をお勧めしたい。






                                                
































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